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聖テレジアの法悦 |
イタリアのバロック期を代表する彫刻家、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(Gian Lorenzo Bernini,1598‐1680)の代表作。ローマ、サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会堂コルナロ礼拝堂に安置されている。
この彫刻はスペインの聖女、アヴィラの聖テレジア(1515-1582)の天使のもつ金の矢によって心臓を貫かれたという法悦体験をテーマとしている。
聖人伝や聖書の外典に一定の興味を持ち続けていたが、中でもアヴィラの聖テレジアは最大のアイドル。ちなみにこの彫刻の写真は、バタイユの「エロティスム」とラカンの女性の享楽(la jouissance)を扱ったセミネール二十巻「アンコール」の表紙となっている。
ネオプラトニスムの旋律でささやかれる至上の愛の言葉。神をパートナーにした神聖なるポルノグラフィー。あるいは、性的関係は存在しない(ラカン)
彼女の著作から、いくつかの言葉を引用しよう。
「われわれにとっていちばん必要なことは、この偉大な神の前に、欲求と舌とを沈黙させることです。彼がお聞きになる唯一の言葉は愛の沈黙ですから。」(手紙322)
「ただ一度死ぬのではなく、絶えず死に続けること…」(「霊魂の城」第6の住まい)
「おお、姉妹たちよ、なんと幸福な狂気でしょう!神が私たちすべてにそれをくださるなら…。」(「霊魂の城」第6の住まい)
「神について悟り、感じえたことに、決して、愛も喜びも措くな。むしろ、かれについてあなたが悟ることも感じることも出来ないことを愛し、喜べ。…」(愛の賛歌100)
「まるで動物がそこに転がるように、泥の中に転がっている霊魂がある。また、空中で自分を清めて清潔にする鳥のように飛翔する霊魂がある」(小品集205)
「霊魂の城」(聖母文庫)
「愛への道 十字架の聖ヨハネの生涯と教え」(カルメル修道会編 聖母文庫)
元の文献が手元にないのでうろ覚え。天使に燃える金の矢で心臓を貫かれた法悦体験について書かれた言葉。
「私はこの甘美な苦しみの中に死ぬことが出来ず、死ぬほど苦しい」
聖女テレジアの本はキリスト教関係の著作を扱う銀座教文館で販売している。ちなみに、私はクリスチャンではない単なる聖女好き。あー、いっちゃったよ。聖女文学は究極の乙女ちっく。自らを神の花嫁、蝶にたとえ幻視で見た神の住まいを解説する「霊魂の城」などは、彼女が書いた中で一番美しい著作。
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美術06.6.3更新
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