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Flaming lips / The Soft Bulletin |

時にバンドは劇的な変化を遂げることがある。かつてこのバンドはインディロック界でノイズの固まりを発している実験的スタイルを売りにしていた。そして、グランジロックの洗礼を受け、さらにラウドに吼え、多くのマニアを魅了した。しかし、インディ界で頂点に君臨したフレーミング・リップスのノイズとラウドなギターの激しさ、その全てを作っていたロナルド・ジョーンズ(g)は突然の脱退をする。驚くべきことにウェイン・コイン (vo&g)マイケル・アイヴァンス (b)スティーヴン・ドローズ (ds) の「残された3人」はなんと大胆にもそのサウンドを捨て去り、そして誰もが予想しなかった世界を僕らにみせつけてくれる事になる。そして、99年に作られたこの『ソフトブレティン』は世界中に注目されるアルバムとなり、世界中の評論家から絶賛をうけることになったわけだ。
このアルバムを一言で表現するならば「美しいアルバム」といえる。デイブ・フリッドマンというプロデューサーはその「美しさ」を演出することに一役買っている。独特のフックや、そこかしこに見せるキャリアが、まるでこのときの為に用意してあったかのように、全てが完璧なる固まりとなって収められているし、このような音楽スタイルはどこを探しても見当たらない。マーキュリー・レヴ、マイ・ブラディ・バレンタイン、彼らもまたそうであるように、フレ-ミング・リップスはそこにしか存在できない。簡潔なようで、繊細な、懐かしみのあるサウンド。一体どのくらいの時間を彼らはこの音楽に費やしてきたのだろう。しみったれた男のぼやきでさえも、ここでは美しい。
劇的な変化と僕は最初に書いた。でもそれはもともとがすごかったからこそ僕の中で鮮烈に記憶されるのだ。彼らの少し力の抜けたようなその感覚は今までのキャリアがなければ生み出せなかったものであり、かれらにしてみれば、「何も変化なんてしていない」といわれるのかもしれない。あくまでも、リスナーの受け取り方の問題であって、それは勝手気ままな想像にすぎないのかもしれない。でもそれが音楽の違った楽しみ方の1つであり、自分なりの解釈を解き明かしていって、それがたとえ彼らが実際に考えたことでなくても、深く問い詰めてしまいたくなるのだ。僕は音楽を聞いていて、同じ世界に存在するミュージシャンをただただ探索してみたくなることがある。フレーミング・リップスはそんな僕にイマジネーションを与えるきっかけを与えてくれるのだ。
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CD・レコード02.3.27更新
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