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『永遠の仔』 |
天童荒太著
(幻冬社刊)
以前から本のカバーの舟越桂さんの人形が印象的で、なんとなく気になっていた『永遠の仔』を遅ればせながら読んでみました。
この物語には、久坂優希、有沢梁平、勝田笙一郎という、親に虐待された記憶をもつ三人が主人公として出てきます。
とても他人には言えないほどの心の傷を抱えた三人が、子供の頃に四国の施設で出会い、何処かで生きているだろうお互いの存在を支えに生きてきますが、17年ぶりに三人が再会したことで、それぞれの人生が大きく狂い出します。
児童虐待を受けた子供の気持ちについて、ここまで細かく描写された長い物語を読むのは初めてだったので、読んでいてかなりつらかったです。
話の中心にあるのは性的虐待ですが、体罰や育児放棄の話も出てくるし、老人問題も主題の一つです。子供のころだけでなく、大人になっても子供時代の想いを引きずって生き、老人になると再び子どもに還っていく……『永遠の仔』は人間そのものの姿なのかもしれません。
読んでいて一番リアルに感じたのは、子供たちが言葉によって傷つけられる場面です。著者・天童荒太さんは多くの取材をもとに時間をかけて『永遠の仔』を書き上げられたそうですが、言葉の暴力といった心理的虐待に関する描写には著者自身の体験が含まれているのではないかと思いました。
また、主人公の一人である久坂優希は、著者の理想像というか、男性である著者が傷付いた自分を女性の姿に変えて純化させた存在のような気がしてなりません。なぜなら、同性として読むと、大人になってからの久坂優希は、母親とのやりとりの時以外、あまりリアルな存在として感じられなかったからです。久坂優希に性的虐待をした父親も、実体がない虚ろな存在に思えます。私と同性である優希という主人公を真正面から受け止め感じてしまうと、苦しすぎるので、優希の父親は普段とギャップがありすぎで、きしょすぎるので、勝手にリアルな存在ではないと(私が)思おうとしているだけかもしれません……。
有沢梁平と勝田笙一郎の母親への想いの描写は、子供のころも大人になっても、とてもいきいきしています。そして、異性でもある母親を強烈に憎みつつ強烈に思慕している引き裂かれた心の状態がストレートに伝わってきます。その激しい怒りは、物語の中で児童虐待者である母親が次々と殺されたり、自殺したり、老人性痴呆になって
…次(1/2p)
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書籍05.3.13更新
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