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萱草に寄す |
25歳の若さでこの世を去った昭和の詩人、立原道造の叙情詩集。
ソネットという定型の詩でありながら、今読んでも古い気はしない。むしろみずみずしい感性がきらめいてまぶしすぎるようにも感じる。
彼の愛の詩たちは、教科書や合唱曲ともなっている。いまのわたしたちの隣にいる詩人といえると思う。
すでに没後50年も経過しているため、好きな詩をひとつ紹介。
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わかれる昼に
ゆさぶれ 青い梢を
もぎとれ 青い木の実を
ひとよ 昼はとほく澄みわたるので
私のかへつて行く故里が どこかにとほくあるやうだ
何もみな うつとりと今は親切にしてくれる
追憶よりも淡く すこしもちがはない静かさで
単調な 浮雲と風のもつれあひも
きのふの私のうたつてゐたままに
弱い心を 投げあげろ
噛みすてた青くさい核《たね》を放るやうに
ゆさぶれ ゆさぶれ
ひとよ
いろいろなものがやさしく見いるので
唇を噛んで 私は憤ることが出来ないやうだ
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