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黒澤明「わが青春に悔なし」@人物はストーリーの奴隷ではないのだが… |
今、BS2が没後10年 黒澤明特集をやっていて「羅生門」をはじめとして全作品を放映している。俺は一応、可能な限りビデオに録って鑑賞しているのだが(「虎の尾を踏む男達」は録り逃したなあ)、俺の先入観のせいか、あんまり面白くない(ゴメンナサイ、黒澤ファンの皆様)。
そんな中の今日の一本が「「わが青春に悔なし」(プロレタリア演劇出身の久板栄二郎の単独脚本であることに留意)。Amazonからストーリー要約を借用転載する。
黒澤明が京大事件と第ニ次大戦中に発覚したゾルゲ・スパイ事件を元に、帝国主義に立ち向かうヒロインの生き様を描いたドラマ。戦争中に敵のスパイとして逮捕された幸枝は、後に獄死するジャーナリストと愛し合い結婚、彼の死後もたくましく生きていく。
原節子がヒロイン(「逮捕された」という上のストーリーはマチガイ、逮捕され獄死したその夫に藤田進。その義母に杉村春子、その他、大河内傳次郎、志村喬なども出演しているのだが、登場人物がリアルに迫ってこない(この作品と反対の極にある戦意昂揚映画「一番美しく」も同じ)。黒澤映画は人間(とりわけ日本社会と日本人)ではなく、ストーリーと映像を描こうとしているのではないだろうか。だから、外国人にはわかりやすく受けがいい。という感想から俺は抜け出られないのだ。
映画を観ながらつらつら考えたのだが、黒澤明はストーリー→登場人物→役者という順番で映画を捉えていたのではなかろうか。だから、(この作品の場合、シナリオが観念的だから余計に)登場人物・役者がリアルに迫ってこない。
思うに、ストーリーあって登場人物があるのではない。登場人物が物語を作るのだ。登場人物はストーリーの奴隷ではないのになあ、と俺の先入観は考えてしまうのである。
だから、この作品における原節子は大輪の向日葵(例:「娘・妻・母」成瀬巳喜男)として輝いていないのだ。しなびた朝顔が可哀想に思えてくる映画であった。ろくに映画技法も勉強してないのにゴメンナサイ、黒澤明さん。
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詳細をみる 08.5.11更新
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