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眠れない一族―食人の痕跡と殺人タンパクの謎 |
50代を超えると、ある日突然眠ることができなくなり、徐々に死に至るという奇病「致死性家族性不眠症」(FFI)を患うイタリアのある一族と、パプワニューギニアのジャングルで首をかしげながらギクシャクと歩き、次々に死んでいく「クールー病」の人々、食肉業者と政府の失策で感染をとめることが出来なかった「狂牛病」。これらの病は、プリオンというたんぱく質が間違った折りたたみ方をすることで起きている病である。このプリオン、元々生物じゃなくてタンパク質ゆえ、遺伝子も持たない。そのくせ恐ろしく高温に耐えうるし、何十年も地中に埋められても、性質が変わらない恐ろしいやつである。
このプリオンのもたらす病の周辺には、がむしゃらにジャングルをクールー病患者の脳を求め歩き回ったショタコンのノーベル学者ガイジュシェック、同じノーベル賞学者で、プリオンの命名者である俗悪な剽窃者プルジナー、そしてイタリアのある呪われた一族の人々の苦悩に満ちたエピソードが配される。もうほとんど、ゴシック小説。
今のところ、狂牛病への恐怖からプルジナーなどの研究者への助成金はバンバン配分されている。しかし、この珍しい病気の感染者は数が少ないため、製薬会社も薬の開発に二の足を踏む。救いの手が差しのべられる可能性はほとんどない。
日本人は、イギリス人より狂牛病にかかるリスクが高いらしい。どうしてなのかは、本を見てのお楽しみ。まだあまりにも謎が多く、この本が絶対と言うことはないが、この本のたどり着いたいやーな推測は一定の説得力を持つ。とにかく、この本を読むとハンバーガーが食べられなくなります。わたしも含めてたぶん、もう遅いけどね。
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