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タッチ・オブ・スパイス |
「食事前の電話は、いつも平和を打ち砕く」。現在のアテネ、30年以上も前に分かれたままの祖父がイスタンブールから移住して来るというその日──。主人公は祖父が倒れたという連絡を受ける。そして、舞台は1959年のイスタンブールに・・・。
隣国との関係は、常にきわめて複雑だ。そして、しばしば国内に隣国を内包してもいる。わが日本の現状を見るだけでよい。国民は、いつも為政者の気まぐれに翻弄されてきた。
ギリシャとトルコも例外ではない。この作品に描かれた60年前後には、キプロスをめぐって対立していた。ギリシャ移民である主人公の家族は、国外へ退去させられる。トルコでは移民として迫害され、本国ギリシャでは帰還者として蔑視される。どこの国にも下劣な輩はいるものだ。
こうした逼迫した状況とは裏腹に、映像はふんだんにスパイスを使ってどっさりと盛りつけられたギリシャ料理と、それを囲む人びとの笑顔にあふれている。旨い料理と楽しい会話があれば、ひとはいつも幸福でいられる。
2003年に公開されたこの作品は、ギリシャの映画史をぬり替えた。
ちなみに、キプロスは今なお南北に分断され、島の北部をトルコ系住民の北キプロス・トルコ共和国が占めている。この国を承認しているのは、トルコだけである。
#タッチ・オブ・スパイス
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