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本コクトーの食卓


ジャン・コクトーは大変美食家としても有名なのですが、そのコクトーの友人でもある世界的な名料理人、フランス有数の大シェフであったレーモン・オリヴェが、その友情の証とともに数々の料理を創りだした料理エッセイを紹介している本。
ただ単にレシピ紹介というだけのものではなく、フランスのエスプリとダンディズムを感じさせるコクトーが、食においてどのような好みで、どのような生活を送っていたか、というような詩人の素朴な一面も伺いしれ、実に楽しい本でもあるのです。
料理の天才と芸術の申し子の素敵な関係が読み取れます。

確かに、豪華な料理がずらり並んでいるのですが、かといって、なぁんだそんなものがお好みだったの、というものもあります。それをひとつ紹介してみましょう。

目玉焼き(ジャン・コクトーはこれがとくにお気に入りだった)にかぎらず、卵料理にはごく簡単なものが多いが、そういう料理の重要さは、ともすると軽くみられがちだ。ところが、こと目玉焼きーーーー「鏡卵」(Spiegel Ei)というドイツでの呼び方はコクトーをおもしろがらせるにはもってこいだったーーーーの作り方にかぎっては、なぜか必要以上に難しさが吹聴されてきたきらいがある。ジャン・コクトーはなにか料理に惚れこむと、ほとんどいつも一二週間毎日食事のたびに同じものを食べて、いっこうに飽きない様子だった。(P68「卵料理」)

なるほど、鏡のイメージを偏愛したコクトーならではの逸話ですね。この目玉焼きの作り方はフライパンにバターをひいてあらかじめ胡椒をふってから、卵を載せる焼き方なのですが、これは自分でも幾度となく試したものです。コクトーと同じ目玉焼きを食べてよろこんでいたわけです。これなら、コクトーが家にやってきてもあわてず簡単に出す事ができそうだなと。



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投稿者 lopyuの空間
カテゴリー 本書籍

06.9.22更新


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